2021.03.22

Vol.15 一般社団法人 建設コンサルタンツ協会

 

戦後の代表的なインフラストラクチャー100を紹介


 

 

 

 

インフラ整備70年(Vol.1~Vol.3)

 

 

 一般社団法人建設コンサルタンツ協会は2018年9月、黒部川第四発電所の建設を第1回のテーマとする講演会を開催した。講演会は「インフラ整備70年」と題して、戦後の代表的な100プロジェクトに直接、または間接的にかかわった技術者などから、経験や見聞を語ってもらうというものだ。土木工学者で、東京都市大学名誉総長の中村英夫氏の発案を受けて協会本部に「戦後インフラ整備事業研究会」を設置し、1950年代以降に進められた代表的な100の事業を紹介する。聴講者は建設コンサルタンツ協会会員のほか、大学や官公庁、建設業、マスコミなどの建設産業従事者が対象で、講演内容はホームページや協会誌に掲載し、書籍化も予定している。

 

 

 

 

   プロジェクトの意義と技術者の声を後世に伝える

 日本では、1950年代から大規模なインフラ整備事業があちこちで盛んに進められたが、初期に整備された事業の多くが、現在のインフラサービスの基盤となっている。これらの事業にかかわった人々の生の声を後進に伝え残すため、この講演会を企画した。講演のテーマはこの約70年間に完成した事業で、地域発展への大きな効果や、新技術を導入した難工事の克服、大災害の復興、反対運動や用地取得難への対処など、11要件のうちどれか1つに当てはまることが条件となっている。

 第1回では、小説や映画、テレビドラマの舞台にもなった日本最大級のアーチダムについて、事業主体である関西電力の元事業本部長をはじめ、トンネル工事を担当した熊谷組や、ダム本体工事を担当した間組(現:安藤・間)の、当時の代表者たちが臨場感たっぷりで建設の経緯を語った。

 

 

 

 

    さまざまな分野の、日本有数のプロジェクトがそろう

  第2回は地下鉄丸の内線開通がテーマで、以降、京阪電鉄の延伸事業や⾸都⾼中央環状線47kmの整備、渡良瀬遊⽔地と古河公⽅公園の環境改善、三陸海岸の国道45号線の開通と復旧、東海道新幹線開業、阪神淡路⼤震災後の阪神⾼速復旧、⻘函トンネル建設などを取り上げ、⽉1回のペースで続けられた。2020年2⽉の第18回以降は新型コロナウイルスの感染拡⼤防⽌の観点から、延期となっていたが、これまでの会場集合形式からWEB配信形式に変更し、2021年3⽉から再開されている。

 

 

 

 

    技術力向上のためのセミナーや技術講習会などを開催

 インフラ整備70年の講演と出版のほか、建設コンサルタンツ協会は、業界の現状や問題を調査し、報告書をまとめるなどして協会内外へ情報を発信している。毎年発行する「建設コンサルタント白書」では、建設コンサルタントを取り巻く環境の変化を鑑み、技術面や品質面、労働環境、生産性など、あらゆる面から情報の提供と課題の提案を続けている。革新技術の開発や導入においては、協会内でも課題を共有し、共同でその解決にあたっている。2018年10月には、デジタル技術に関する講座を協会などの寄付で3年間、東京大学で開設。委託研究員の派遣も行った。

 

 

令和2年度建設コンサルタント白書

 

 

 

    国交省や高速道路会社などとの意見交換会を実施

 協会では、6つの常設部会の下に22の委員会を組織し、会員に向けた技術力向上のためのセミナーや技術講習会、勉強会なども開催している。活動の大きな柱の1つに発注者との意見交換会がある。意見交換会は、国土交通省の本省と全国10カ所の地方整備局や高速道路4社、国土技術政策総合研究所、国立研究開発法人土木研究所、独立行政法人水資源機構などの発注機関との間で、テーマを設けて開催している。2018年度は、担い手の確保・育成のための環境整備や、品質の確保・向上をテーマに実施した。

 

 

 

    支部は全国9カ所

 協会の支部は、北海道、東北、関東、北陸、中部、近畿、中国、四国、九州の9カ所に設けている。活動内容は本部に準じた意見交換会や、セミナー、講習会、現場見学会の開催を各支部の実情に応じて実施している。また、災害発生時の現場復旧のために専門技術者を派遣するなど、災害の早期復旧や復興にも貢献している。一方で、建設コンサルタントの認知度を上げる広報活動も各地で行っており、ボランティア活動や出前講座、清掃活動などを推進している。

 

 

 

 

    社会資本整備への貢献を目的に1961年発足

 建設コンサルタンツ協会は、建設コンサルタントが社会資本の整備と活用に貢献できるよう、技術力や社会的地位の向上を目的に、1961年4月に発足した。名神高速道路の建設や東海道新幹線の敷設などの大規模な事業が相次いで着工し、民間の技術活用の運気が急速に高まり始めたころだ。2年後の1963年に建設大臣の認可を受けて正式に設立。同年に社団法人化した。会員企業数19社で発足し、約40年間で500社を超えたが、公共事業予算が削減されたことが背景となり1998年度を境に会員企業数が減少。2020年3月時点では493社となっている。会員企業は全国に分布しているが、東京都が95社と多数を占め、加入しているのは比較的経営規模の大きな企業が多い。

 

 

 

 

    CPD制度や技術士に並ぶRCCM資格制度を運用

 建設コンサルタンツ協会は、建設コンサルタント技術者と、技術士と並んで重要な資格制度であるRCCM(Registered Civil Engineering Consulting Manager)資格登録者に向けて、CPD(継続教育)登録の機会を提供している。2005年4月にCPD制度を創設し、運用を開始した。会員企業の社員だけに限らず、広く建設コンサルタント技術者のCPDを支援することが特徴だ。RCCMは難関の技術士に代わる資格として、建設省(現国土交通省)が促し、1991年に建設コンサルタンツ協会が創設した。河川や道路など22の専門技術部門に分かれ、建設コンサルタント業務に携わる管理・照査・担当技術者の能力を認定している。国交省の技術者資格登録制度では、22部門のうち14部門が登録されている。2020年12月時点の資格登録者数は3万2000人にのぼる。

 

 

 

その他活動概要は以下リンクへ

 

 

                                 (2021年3月時点)